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英作家ジョン・ル・カレ氏が死去 数々の傑作スパイ小説 - BBCニュース

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John le Carré

冷戦時代のスパイ活動を描いた「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」、「寒い国から帰ってきたスパイ」など、数々の人気小説で知られる英作家、ジョン・ル・カレ(本名デイヴィッド・コーンウェル)氏が英南西部コーンウォルの病院で現地時間12日夜、肺炎のため亡くなった。89歳だった。出版代理人が13日夜(日本時間14日朝)、明らかにした。

ル・カレ氏の出版代理人を15年近く務めてきたジョニー・ゲラー氏はル・カレ氏を、「冷戦時代をくっきりと描き出し、恐れを知らずに権力者に真実を語り続けた」、「まぎれもない英文学の巨人」と呼んだ。さらに、「人間のあり方というものに関心を持つすべての人、すべての本好きは、この喪失を深く感じることになる」とも述べた。

「私たちは英文学の偉大な存在を失った。素晴らしいウィットと優しさ、ユーモアと知性の人を失った。私は友人と先生、そして奮い立たせてくれる人を失った」と、ゲラー氏は書いている。

John le Carré

遺族はゲラー氏を通じて、「ジョン・ル・カレことデイヴィッド・コーンウェルが、肺炎と短い間闘った後、土曜日夜に亡くなったことを、深い悲しみと共に確認しなくてはなりません」と声明を発表した。

「結婚50年近くになる最愛の妻ジェインと、ニコラス、ティモシー、スティーヴン、サイモンの息子たちが残されました」

「私たちは全員、彼の死去を深く悲しんでいます。入院中、思いやり深く手厚く看病してくれたトルーロのロイヤル・コーンウォル病院の素晴らしいNHSチームに感謝します。一緒に悲しんでくれていると、承知しています」

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1931年にデイヴィッド・コーンウェルとして生まれたル・カレ氏は、イギリスのパブリック・スクール、シャーボーンを経て、スイス・ベルンの大学と英オックスフォード大学で学んだ。

オックスフォード在学中から英MI5(保安局)のために働き始め、パブリック・スクールのイートン・コレッジで教えた後にMI5に就職。1960年にMI6(対外情報部)へ移り、西ドイツ(当時)・ボンの英大使館で表向きは外交官として働き始めた。

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MI5在籍中に初の小説「死者にかかってきた電話」を執筆。ドイツ勤務中に「ジョン・ル・カレ」のペンネームで、この第1作と次の「高貴なる殺人」を発表。続けて発表した、冷戦下の東西ドイツとイギリス情報部員を描いた「寒い国から帰ってきたスパイ」が世界的ベストセラーになった。

1964年に情報部員だとソ連側に知られたことで退職し、執筆活動に専念するようになった。

ル・カレ氏は自分の身元をソ連側に明かしたとされる、イギリス出身の二重スパイ、キム・フィルビーに着想を得て、1974年には英情報部と二重スパイの攻防を迫真の筆致で描く「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」を発表し、スパイ小説の大家としての評価を不動のものにした。

その後も冷戦中に数々のスパイ小説を発表。冷戦後は武器密輸や国際金融、ロシア・マフィアや製薬業界などを題材に、作品を発表し続けた。

自分が5歳の時に家を去った母親と生き別れた経験や、保険金詐欺で逮捕されるなど犯罪に関わり続けた父親との確執が、作品に反映されていると自ら語っていた。

その作品の多くは映像化された。BBCが1970年代にドラマ化した「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」で主役ジョージ・スマイリーを演じたアレック・ギネスの演技は、それ以降の小説でのスマイリーの描写に影響したという。

2011年公開の映画版「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(邦題「裏切りのサーカス」)や、BBCがドラマ化した「ナイト・マネジャー」などには、ル・カレ氏自身がさりげなくカメオ出演している。

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