すべては消費者の反応次第。
昨年スタートした配信サービスDisney+も好調なディズニーは、同社が展開する作品を自社による販売・配信を中心とした形に転換を早めていく方針を明らかにしてコンテンツ製作部門の再編を行ない、大きな話題となりました。
今回の再編は、ディズニーの大株主として知られるヘッジファンドマネージャーのダン・ローブが「資金を配信サービス方面に追加投資すべき」と主張してから数日後に始まったもので、そのプレスリリースでは、コンテンツ製作部門を「スタジオ(映画・アニメ等)」、「一般エンターテイメント(TV番組等)」、「スポーツ」の3つに分けることが明らかとなると同時に、同社のストリーミング・サービスに力を注ぐとの宣言がなされました。
「どう消費するかは消費者次第」
そして、ディズニーのCEOのボブ・チャペックがCNBCのインタビューでも同様にストリーミング・サービスへの注力を強調しました。なので「ディズニー系映画は劇場で見られなくなるのでは?」と心配になってくるのですが…このインタビューを含め今の所ディズニー側は断言していない形。
先のインタビューでは「劇場公開をする気がどれくらいあるのか?」という質問に対し、CEOはこのように答えています。
ボブ・チャペック:我々は長年の劇場との取引によって非常に大きな恩恵を得てきました。とはいえ、市場の変化を受け劇場での鑑賞体験をしたいという消費者に対しては、その選択肢を完全な形で提供し続けていきますが、一方で多くの消費者が自宅で快適で便利で安全な鑑賞体験を求めています(ので、そちらにも対応していきます)。
我々としては消費者を第一とし、彼らがメディアをどう消費するかは我々が提供する側として一方的に決めるのではなく消費者次第として、我々はあくまで消費者に力添えをする存在となります。
こんな具合であくまで「消費者次第」であることを強調。インタビュワーが更に具体的に「これからの劇場公開はどうなりそうか?」と突っ込んだ質問をすると、12月10日に行なわれる投資家向けのオンライン説明会でより具体的なものを明らかにするとしています。
また、 Bloomberg Markets and Financeでのインタビューでは、ボブ・チャペックはこうも語っています。
ボブ・チャペック:我々は世界最高のコンテンツを持っています。そして消費者のにはどうやってそのコンテンツを楽しみたいかを伝えて欲しいです。家で見るのか劇場で見たいのか、Disney+などの配信サービスなのかどうか。
その意見を聞きいていくつもりであり、現状では消費者の方々はDisney+とHuluでもっとコンテンツを見たいと伝えてくれています。
さて、これをどう捉えるか。とりあえず劇場公開に関して今のところは「選択肢を提供し続ける」とは言っているので、いきなり劇場公開作品がゼロになっちゃうなんてことはないはず。
劇場で見る選択肢を残しておいて欲しいんだけど…
ただ、事実として、映画『ムーラン』もコロナ禍の影響でDisney+で有料配信となったもののなかなかに好調であるらしくその手応えは感じているようであり、ピクサーの最新作『ソウルフル・ワールド』はコロナ禍による公開延期で6月劇場公開から12月劇場公開予定となっていたものが、本当に土壇場でDisney+での限定配信(こちらは追加料金なし)になるなど、映画もどんどん配信という流れになってきています。
ただこれはコロナ禍の影響が大きいというところもあるはずで、未だに再オープンが行なわれていない北米の劇場が元の状態に戻ることができれば、状況が変わって行くかもしれません。しかし、『ムーラン』や『ソウルフル・ワールド』の劇場公開が無くなったことで劇場からの反発も大きく、問題となっているのもまた事実。この状況で、仲違いをしてしまうのも非常に心配…!
ディズニーの直近の作品でとにかく大きなものと言えば、マーベル・シネマティック・ユニバース最新作となる『ブラック・ウィドウ』で、現状2021年4月29日(日本。アメリカは5月7日)に劇場公開予定ですが、これが本当に劇場公開になるかどうかが1つの分かれ目となるのではないでしょうか。
ディズニーはマーベルやスター・ウォーズ系だけでなく、いまやフォックスも抱える超巨大な映画企業なので、劇場公開から撤退されてしまうと映画館で映画を見るのが趣味の1つである私としてはダメージが大きいと、消費者としては「劇場で見る選択肢を残しておいてくれ」言っておきたい…!
ともかく、全ては先ほど紹介した12月10日に行なわれる投資家向けのオンライン説明会で明らかになるはずなので、注目しておきましょう。
Source: Disney, CNBC, IndieWire, The New York Times, YouTube
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