秩父地域に根差した情報誌「ちちぶマガジン」の第四号が、今月三日に発売された。新型コロナウイルスの感染拡大で、当初の予定より五カ月ほどずれこんだが、編集長の相馬由子さん(43)は「ローカルメディアの可能性を広げていきたい」と意気込みを語る。 (久間木聡)
同誌は二〇一八年十一月、秩父市出身の相馬さんが同級生の保泉昌広さん(43)と創刊した。秩父夜祭や秩父銘仙など、地元を代表する伝統文化をはじめ、各地のグルメや催し、ニホンオオカミに関する読み物など、硬軟取り混ぜて多角的に秩父地域の魅力を発信している。創刊号は一万八千部、昨年四月刊の第二号と同年十月刊の第三号は、ともに二万五千部を発行した。
第四号は「秩父で外遊び&アクティビティ」と銘打ち、秩父ミューズパークや小鹿野町のクライミングパーク神怡館(しんいかん)、長瀞オートキャンプ場などを紹介した。
相馬さんによると、新型コロナの影響で取材を一時、断念せざるを得なかったが、「観光業を応援したい思いがあった」と狙いを話す。今月六日には秩父市のコミュニティー放送局ちちぶエフエムの番組にも出演して購読を呼び掛けた。
相馬さんは早稲田大を卒業後、リクルート勤務時代には首都圏を中心に多くの読者を獲得したフリーマガジン「R25」や姉妹誌「L25」を手掛けた。現在はさいたま市に合同会社を構え、フリー編集者として活動している。
ちちぶマガジンについては「これまでの、どの仕事より喜んでもらえた。ダイレクトな反応がある。出した意義があると思っています」と話している。定価九百八十円(税込み)。第五号は来年春か夏に刊行予定。
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