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【エンタメよもやま話】バカにしててもハリウッドの復活期待、仏映画界の憂鬱 - 産経ニュース

AMCのような大手の映画館チェーンが長期休館し、大きなダメージを受けた米ハリウッドだが、仏映画をはじめ、世界の映画業界の命運は米ハリウッドが握っている=6月30日、米カリフォルニア州バーバンク(ロイター)
AMCのような大手の映画館チェーンが長期休館し、大きなダメージを受けた米ハリウッドだが、仏映画をはじめ、世界の映画業界の命運は米ハリウッドが握っている=6月30日、米カリフォルニア州バーバンク(ロイター)

 さて、今週ご紹介するエンターテインメントは、エンタメの王道である欧米の映画業界に関するお話です。

 4月3日付の本コラム「ハリウッドで12万人失業 劇場公開と同時配信も加速、新型コロナで変わる映画界」でご説明したように、年初から続く新型コロナウイルスの感染拡大によって映画館の休館が長引き、深刻な影響を受けている米ハリウッドですが、その影響が実は“犬猿の仲”で知られる意外なライバルにも悪影響を与えるため、不思議なことに、そのライバルが米ハリウッドの復活を願っているというのです。というわけで、今回の本コラムでは、その興味深い“珍現象”についてご説明いたします。

 スイスに本部がある国際機関、世界経済フォーラムの公式サイトが7月23日付で米ハリウッドの現状などを詳細にまとめているのですが、それによると、昨年の全世界の映画作品の総興行収入は、過去最高の420億ドル(約4兆4500億円)を記録し、全世界の映画製作・配給会社が生み出す市場価値は1360億ドル(約14兆4000億円、2018年時点)にのぼるといいます。無論、業界で世界最大の規模と興収を誇るのが米ハリウッドで、200万人以上の雇用と40万社にのぼる関連企業を抱えています。ちなみに英の映画とテレビ業界は、日々、英経済に6000万ポンド(約83億円)の価値を生み出し続け、中国といった国々でも、創造的価値を上げるため政府が大胆な措置を講じているといいます。

 そんな世界の映画業界を支える米ハリウッドがコロナ禍で事実上、活動を停止。全米の映画館のほとんどは3月の中旬から閉館。そのせいで数々の公開予定作も延期となっており、8月17日付のロイター通信や8月21日付の米紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)などによると、業界はようやく再開に向けて動き出したものの、そのペースは鈍いままで先行きも不透明だといいます。

 また、ハリウッドを抱えるロサンゼルスやその他の都市で撮影を再開した映画やテレビ番組はほんの少しで、俳優や撮影スタッフは、進行中の映画のプロジェクトの再開時期がはっきりしないため、来年まで仕事がないと考える人も少なくありません。6月中旬以降のロサンゼルス地域での映像作品などの撮影許可申請数は例年の約34%とかなり少ないうえ、地元の業界団体「フィルムLA」によると、そのほとんどはテレビCMやスチール写真の撮影。ごく少数のテレビ番組では、撮影隊を小規模にしたり、撮影現場でのマスク常備着用といった感染対策が徹底されているかを関する担当者を設置したり、キスシーンにマネキン人形を使うといった対応策を講じています。そんなわけで、当初は、テレビ番組と長編映画の製作は9月以降、増えると予想されていましたが、状況はそう甘くはないようです。

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September 04, 2020 at 09:00AM
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